リスクアドバイザーとは

リスク管理能力を組織に定着させる”先導者”

一定の能力を持つ危機管理担当者を増やすことは、組織全体の危機管理能力を高めていくことにもつながります。
そのためにはまず、組織の危機管理担当者に「共通に求められる能力」を「見える化」することが必要です。
「リスクアドバイザー」は「学術的に裏付けられた教育プログラム」により、
その能力を身につけたことを示す1つの指標となります。

リスクアドバイザー資格制度創設の目的

現代のビジネス環境では、企業は自然災害やサイバー攻撃、経済変動など多様で複雑なリスクに直面しています。これに対応するためには、早い段階から、リスクを予測・管理し、危機発生時に迅速に事業を復旧させる体制が必要です。
リスクアドバイザー資格は、こうした時代のニーズに応える専門人材を育成するために生まれました。この資格では、リスクマネジメントと事業継続マネジメントの両方を体系的に学び、企業の実情に合わせて適用する力を養います。企業を守るプロフェッショナルとして活躍したい方、キャリアの幅を広げたい方にとって、リスクアドバイザー資格は最適な選択です。あなたの知識とスキルが、組織の未来を守る力となります。

企業の危機管理担当者に求められる3つの能力

企業の危機管理において重要なのは、「リスクを事前に特定し予防すること」と「万が一の際に迅速かつ的確に対応すること」です。さらに、これらをあらゆる部門で行えるよう「組織に定着」させることが求められます。このため、リスクアドバイザー資格では、「リスクマネジメント」と「事業継続マネジメント」の両方を実践的に習得し、それらを組織に最適化した形で運用・改善できる能力を資格取得の条件としています。さらに経営層や他部門、一般従業員に展開できるよう、「なぜ危機管理が不可欠なのか」という法的・倫理的な背景に加え、現代の事業運営に不可欠なITリスクへの理解も必須要件に組み込みました。これにより、リスクの予防と対応の両面から危機管理を体系的に実現し、組織の安全性と持続可能性を高める人材を育成します。

学術研究と国際規格に基づいた研修プログラム

資格取得にあたっては、3日間の研修を受けていただく必要があります。

1. ID理論に基づく研修プログラム
本資格制度は、兵庫県立大学大学院との共同研究により開発された科学的なプログラムです。教育設計ID(Instructional Design)理論をベースに、組織の事業継続力やリスクマネジメントに関する調査結果を取り入れたプログラムとして開発されました。計15時間の講義を受ければ、リスクアドバイザーとしての基礎的な能力を身に付けることができます。

2. ISOを基本とした講義内容
リスクマネジメントはISO31000、BCPはISO22301、そして危機管理は法律の理解やITなどの知識に加え、危機対応全般について学びます。

3. 各組織の課題に適用するための実践講座
各講座では、各組織の課題に応じてリスクアドバイザーとしての能力が発揮できるよう「実践講座」を用意しました。ここでは、グループワークでの討議により、多くの気づきと、組織にリスクマネジメント、事業継続マネジメントを浸透させていくためのヒントが得られることでしょう。最終日には試験を行い、試験合格者を資格認定いたします。

受講者の多くが長期的な危機管理能力の向上を実感!

リスクアドバイザー養成講座を受講した方を対象に、受講前と受講直後、1ヶ月後において、危機管理に求められる本プログラムで定めた学習目標について自己評価をしてもらいました。その結果、あらゆる経験年数の担当者で受講直後だけでなく、受講1ヶ月後も高い理解度が維持されていることが確認されたほか、リスクマネジメント、BCP、組織への定着の領域別でも、全ての学習目標に対する理解度が維持されていることが明らかになりました。※2

危機管理担当者としての着任後、早期にリスクアドバイザー養成講座を受講することで、長期間にわたって優れた能力を持つ危機管理担当者として活躍できる可能性が高まります。

受講前後での学習目標の理解度の変化

5段階評価で学習目標をどの程度理解できているかを評価(1.全く当てはまらない~5.とても当てはまる)

※2:中澤幸介・木村玲欧(2024).地域安全学会論文集,No.45,PP.63-72,2024.11.

つまり、危機管理担当者として着任後早期に研修を受けることで
長期間にわたり高いパフォーマンスを発揮できます!